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病院通信2021年02月号 正確な検査で医療を支える「患者を守る臨床検査」
2021.02.15
患者を守る臨床検査
血液検査や心電図検査などを担う臨床検査技師。正確な分析結果を医師に報告するため、検査には豊富な知識と経験が求められます。新型コロナウイルスのPCR検査も実施するなど、医療現場を陰から支えています。
治療に不可欠な検査
臨床検査は大きく分けて2種類あります。患者の血液や尿などに含まれる物質を測定したり、がんの有無を調べる「検体検査」と、心電図や超音波で体の状態を把握する「生体検査」です。これらの検査は医師の指示の下に実施され、患者の健康状態や治療経過を確認。異常がないかを発見するための指標になります。臨床検査の結果は、病気の予防・診断・治療に必要不可欠なものです。
患者を陰で見守る臨床検査技師の存在
市民病院にいる臨床検査技師は現在26人。生理・生化・細菌・病理・遺伝子・一般検査の6つの班体制で検査をしています。
病理を専門とする中村広基技師は「西尾市民病院は400床以下の病院ですが、同じ規模の病院では少ない病理専門医も常勤するなど、西三河地区の中核病院として機能するように検査体制を充実させている」と語ります。臨床検査技師は患者と接することは少ないですが、正確かつ速やかに検査結果を報告し、医師・看護師と連携することで患者に安心して治療を受けてもらえるように日々奮闘しています。
PCR検査を実施
市民病院では、新型コロナウイルスを正確に検出する「リアルタイムPCR検査」を10月から実施しています。中村技師がPCR検査の研究をしていた経験を生かし、若手技師2人とともに新しい専門チームを結成しました。導入したPCR検査装置は非常に感度が高く、わずかなウイルスの量でも検出できる性能をもっているため、感染初期でもウイルスを検出することができます。「早期に正確な検査結果を報告することで、患者の状態を医師が迅速に把握でき、治療や隔離の指示を出せるため、その後の感染拡大防止につなげられるのではないか」と中村技師は語ります。
検査後も油断は禁物
PCR検査の結果が陰性でも、完全に安心できるわけではありません。採取されるウイルスの量は、感染からの経過時間や採取部位によって大きく変わります。また、検査で陰性が確認された後に発症するケースも考えられます。検査を受けたからといって油断せず、マスクの着用や3密を避けるなど、感染予防を欠かさないことが大切です。
市民病院のいま(広報にしお 2021年02月号)