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当院のご紹介

院長あいさつ

禰宜田 政隆画像

Message 冬来たりなば
春遠からじ

 2020年度を迎え、西尾市民病院院長として改めてご挨拶申し上げます。
 今冬は暖冬で終わったものの、世間は新型コロナウィルスで大変な騒ぎとなっておりますが、相変わらず当院の課題は山積しており、特に勤務医不足は残念ながら依然顕著で、近年は看護師不足にも喘いでいます。集中と選択、大都市・大病院志向に加え、新専門医制度などの問題も上ってきており、また、働き方改革がはじまり、少人数では診療制限を加えざるを得ない部分もあり、経営は改善するどころかむしろ悪化に拍車がかかっている状況です。
 市民の皆様には、ご迷惑・ご不便をおかけしており、忸怩たる思いでおります。
 そのような中にありますが、初期研修医についてはようやくそれなりに来ていただける様になり、県全体の定員が削減される中、今年度は定員一人増となりました。
 しかし今回のウィルス騒ぎをみても、病院や病床は何か起これば数もそれなりに要ります。また、それを運営するスタッフも適切に配置しないと機能せず、経済を優先してギリギリで運営していては、平時には無駄がなくても緊急時には余力がないため、十分な対応ができないことが明らかになった様に思います。緊急時に備えるためには、病院数の維持と病床やスタッフに余裕を持つ必要があると言えるかと思います。
 ただ、全体的傾向としては、少子高齢化が進み超高齢社会となり、2025年問題を抱え、今後より一層、地域の医療・介護連携、役割分担を積極的に進めていかなければなりません。当院としても2015年度から地域包括ケア病棟を導入いたしましたが、2016年度には更に1病棟増設し、また、地域包括ケアシステムへの貢献を西尾市民病院改革プランにも掲げて、地域に求められる医療を柔軟に提供してまいりたいと思います。
 その一方で、急性期機能としては、当院の近年の救急車搬入件数は4,000件を超えております。非常勤医師のお力も借りてはいますが、50人程度の常勤医師でこの件数を受け入れており、医師一人当たり換算では、県下でもトップクラスの数字です。
 併せてICT化を進め、西尾市医師会との連携を深めるべく、地域連携ネットワークシステムを2014年度末から導入しました。更に、現在、近隣病院との新たな画像共有手段も検討中です。これらを当院、当地域の特色として、今後も発展させるとともに、地域を大きな病院と捉えた、新たな地域連携、地域医療構想も模索してまいります。
 設備としては、マンモグラフィーを昨年度更新し、昨秋から乳がんドックを開始しました。今年度は、高機能CTを導入して診療機能や健診事業を更に発展させてゆく予定です。その他、地元金融機関のご協力の下、市民の皆様に当院及び現代の医療を正しくご理解いただくとともに、健康意識の向上にも寄与すべく、市民公開講座を2015年度から開催し、好評を博しております。
 2018年度から動き始めた新専門医制度や、2018年度の医療・介護保険の同時改定、更には、医師偏在化が改善されない中、簡単ではありませんが、地域の皆様に安心・安全な医療環境を提供できる病院・地域を目指して、公立病院としての矜持を貫きながらも時代の変化に適応すべく、今後も努力してまいります。
 その一手段として2018年に、近隣病院との統合も選択肢として掲げましたが色々反響を呼び、現在、大きな進展はみられておりません。しかし、甚大な災害の予測されている当地区の急性期医療を守るべく、今後も最善の方法を模索して参ります。
 その様な中で昨年度末には、当地区の病院団体である、西三河南部西地域医療連携推進ネットワークにおいて、急性期医療への対応に係る協定が締結され、この地域の急性期医療の中心をなす5病院間で協定書が交わされ、当地区の急性期医療を堅持する意思を示しました。
 今後もより皆様に愛され、必要とされる病院を目指して参ります。
 遠くない将来、医師過剰時代が来るとも言われており、地域・診療科偏在解消への動きも漸く多少みられるようになりましたが、まだ暫くの間、地方の中小病院にとっては厳しい状況が続くと思われます。地域の皆様方には、ご迷惑・ご不便をおかけいたしますが、冬来たりなば春遠からじ。何とぞ今しばらく、ご理解、ご協力を賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。

令和2年4月1日 西尾市民病院 院長 禰宜田 政隆