About
当院のご紹介
院長あいさつ
Message 次世代に向けて
今年度西尾市民病院院長に就任致しました。一言ご挨拶させていただきます。
昨年度は、新型コロナウイルス感染症の影響から徐々に回復し、通常の医療体制に戻りつつある一年となりました。しかし、インフルエンザの大流行など、病院を取り巻く状況は依然として厳しいと言わざるを得ない日々が続いています。
2025年は団塊の世代が後期高齢者となる年となり、今後進展していく高齢化や生産年齢人口の減少に対応する必要があります。この超高齢化社会に合った医療を提供するためには、急性期医療一辺倒のみでなく、地域包括ケアなども進める必要があります。当院も昨年度から在宅復帰率向上を目指し、訪問看護の分野にも参入するなど取り組みを行っています。ある程度軌道に乗ってきた中、さらなる充実も考えています。
当院は17万人市民の医療を支える必要不可欠な存在であるべきと認識しております。南海トラフ地震で甚大な被害を受けると予測される地域であることから、災害拠点病院としての役割も重要であると考えております。そのために救急医療などに注力することのほか、市民との触れ合いも重要と考えており、昨年度久しぶりに規模を縮小して病院祭りを復活させ、多くの皆様にご来場とご好評を頂きました。毎年の開催は難しいものの、こういった機会を設けることの重要性を改めて感じた次第で、今後も是非機会をみて開催していきたいと思っております。
なお、重要な課題の一つとして、人員・人材不足、特に医師不足があります。大学医局や愛知県庁を何度も訪問し、当院の実情を伝えながら依頼と調整を積み重ね、今年度は長らく常勤不在であった泌尿器科に2名の医師をお迎えすることができました。これに伴って手術支援ロボットを導入し、泌尿器科以外にも外科で今後活用していく予定です。また、MRIも閉所の苦手な方にもある程度対応可能な新しい機器に今年度更新する予定で、より質の高い医療をお届けできるようになります。
まだしばらくの間、地方の中小病院である当院にとっては冬の時代が続くと思われます。医師確保は引き続き進めていかなくてはならない課題であり、地域の皆様にはご迷惑・ご不便をお掛けしますが、当院の基本理念で有ります「温かい心と確かな技術、めざそう人に優しい医療」に沿った医療提供体制を堅持し、皆様の生命と健康を守る役割を担っていく所存です。何卒ご理解、ご協力を賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。
令和7年4月1日 西尾市民病院 院長 田中 俊郎