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病院通信2020年05月号 医療の質を高める認定薬剤師
2020.05.15
患者さんの治療に深く関わる薬剤師
「薬剤師」と聞いて、どんな人をイメージしますか。まちの薬局で処方された薬の準備(調剤)する人を思い浮かべた方が多いではないでしょうか。市民病院には現在、19人の薬剤師が在籍し、入院患者さんの持参薬が入院後の治療への影響がないか確認して代替薬を提案するなど、調剤業務以外にもさまざまな役割を担っています。医療技術が高度化・専門化し、患者さんに最適で安全な医療を提供するため、薬剤師には医師や看護師と共にチーム医療に積極的に関わることが求められています。薬剤部長の古川さんは「病院の薬剤師は、処方される薬の服用方法や効果、副作用の恐れを入院患者に説明したり、薬の安全性に関わる情報を収集して、各医療スタッフからの薬に関する相談に応じたりしている」。覚える情報は多岐にわたりますが、治療に深く関わることができ、患者さんが良くなる姿を間近に感じられることがやりがいなのだそうです。
医療の質を支える認定薬剤師
薬剤師がチーム医療により深く関わるには、専門的な知識を持つ認定薬剤師の育成が不可欠です。認定薬剤師になるには、数か月間にわたる専門研修を受け、試験に合格することが必要。市民病院には現在、3人のがん薬物療法認定薬剤師や、2人の感染制御認定薬剤師などがいます。がん薬物療法認定薬剤師の資格を持つ薬剤室長の佐藤さんは「資格を持つことでチーム医療により深く関わり、利用する薬の種類や量の変更を医師に提案するなど、質の高い医療の提供に貢献できる。薬剤師でありながら患者さんと接する時間は長く、距離も近くすることができる。末期がんの入院患者さんから、最後に感謝の言葉を言われたこともある。こんな経験はチーム医療に携わってなければできなかった」と語ります。専門知識を持った認定薬剤師が、市民病院の質の高い医療を支えています。