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病院通信2021年03月号 少しでも検査の負担を少なく「AIを活用した最新のCTを導入」

2021.02.26

昨年12月、市民病院は最新のデュアルエナジーCT(全身用コンピュータ断層撮影装置)を導入しました。AI(人工知能)を活用して画像作成できるモデルが大学病院などの研究機関以外に導入されるのは、全国で初めてです。

患者さんに優しい検査を

CTやMRI(磁気共鳴断層撮影装置)、マンモグラフィーなど、市民病院ではさまざまな最先端の医療機器を導入しています。これらを駆使して、患者さんを検査しているのが、画像情報室に所属する診療放射線技師です。「CT検査を受ける方の多くは、検査への不安と苦痛を抱いていると思う。痛みのある方にはできるだけ楽な姿勢で検査を受けてもらえるようにしている」と語るのは、池田江美子診療放射線技師です。安心して検査を受けてもらうめ、患者さんに丁寧に説明することを心掛けています。

最新のCTを導入短時間で鮮明に撮影

今回導入した最新のCTは、従来のCTと比べてさまざまなメリットがあります。放射線科の髙井勝文医師は「細い血管まではっきり撮影でき、正確に診断できる。また、画像を見ながらカテーテル(細い管)や針を体に入れて病気を治療する『IVR(画像下治療)』にも役立つ」と語ります。これまでのCTでは判別できず、MRI検査が必要だった異常も、一部はCTのみで分かるようになったそうです。「造影剤の量が少なくても診断可能な画像が得られ、腎臓の機能障害がある方も造影CTを受けられる。被ばく量も少なく患者さんの体に優しい」と導入の効果を語ります。最新のCTは、1回転で撮影できる範囲が広いのも特徴です。心臓は拍動で動いているため、心臓の栄養血管である冠動脈のCT撮影は、今まで難しいものでした。新装置では心臓全体を一度に撮影でき、3D画像として描き出す能力が向上しました。

正確な画像を早く届ける

「正確な画像を早く先生に届けて、正しい診断にいち早く辿り着いてもらえるようにしたい」と話す池田技師。月ごとの心臓の検査数が以前の倍以上に増えるなど、慌ただしい日々が続きますが、患者さん一人一人に丁寧に向き合い続けます。

市民病院のいま(広報にしお 2021年03月号)