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病院通信2021年09月号 患者さんの日常生活の自立をサポート「理学療法士」

2021.08.30

理学療法士は、国家資格が必要な専門職です。けがや病気などで身体・運動機能が低下した方が、今後生活していくための問題を的確に判断し、さまざまな訓練を通じて機能の回復を図ります。

動作の専門家

理学療法士は、日常生活を過ごす上で基本となる、起き上がる・立つ・歩く・座るなどの動作の改善や筋力の回復・関節可動域の改善など、さまざまな訓練で患者さんをサポートしています。リハビリテーション室には、現在、10人の理学療法士が所属しています。「患者さんの症状はそれぞれ違う。体の状態を把握し、コミュニケーションをとりながら理学療法を行っている」と語るのは、横山功児理学療法士です。退院後の生活を意識しながら、一人一人に合った理学療法を行っています。

広い視野を持った理学療法

単に動作能力の回復・向上を図ることだけが理学療法士の仕事ではありません。患者や家族とコミュニケーションをとり、時には自宅の環境を調査し、部屋の段差確認を行うなど、退院後の生活を意識しています。「患者さんが自宅へ帰ってから安心して暮らせることをイメージしながら、広い視野を持って対応していくことが大切」と横山理学療法士は語ります。

本人の意思を大切に

年齢や症状によって一人一人の目指すゴールは異なります。「頑張り過ぎたり、早く治したいと焦って体に負担を掛け過ぎてしまうことで、悪化や再発につながりかねない。本人の意思を尊重しつつ、体の状態に合わせて、機能回復のサポートをしている」。横山理学療法士は患者さんの意思を大切にしながら、プロとして最善の理学療法を提案しています。

予防や習慣が大切

けがをしたり体を痛めてしまう原因は人それぞれですが、生活の中で改善できたり、習慣によって予防できたりすると横山理学療法士は言います。「住み慣れた自宅でも転んでしまい、けがにつながることもある。自宅の環境を改善することや筋力や体力が低下しないように、日頃から運動をする習慣を身に付けることも大切。例えば、テレビを見ながら座って手や足の運動をする、ストレッチ、ウオーキングをするなど、自分に合った運動を継続することで身体・運動機能の維持、向上につなげてほしい」。けがはいつ・どこで起こるか分からないからこそ、日頃から予防する意識や習慣を持つことで、健康的な日常生活を送ることにつながります。

市民病院のいま(広報にしお 2021年09月号)