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病院通信2021年10月号 知っているようで意外と知らない「肺炎のこと」

2021.10.01

新型コロナウイルス性の肺炎が世間の注目を集めています。そもそも「肺炎」とはどのような病気なのでしょうか。

肺炎の種類と原因

肺炎といっても、その原因はさまざま。新型コロナウイルスなどのウイルスが原因で起こる「ウイルス性肺炎」、細菌が原因で起こる「細菌性肺炎」、原因不明なことが多い「間質性肺炎」などがあります。ウイルスや細菌が何らかの理由で肺の奥に入ってしまい、炎症が起きた状態が「肺炎」です。炎症は体の中にできる傷のようなもの。傷があればその部分は正常に機能しなくなり、傷が熱を持てば体温が上がって発熱します。

肺炎の症状

どの肺炎にも共通する症状は、せき、たん、呼吸が苦しいなどです。熱が出ることもありますが、一般的にそれほど高熱は出ません。しかし、新型コロナウイルスが原因で起こる肺炎は他の肺炎とは違う特徴があります。特にせきがひどく、倦怠感があり、高熱が出やすいのです。

予防法と肺機能の強化

「肺炎の予防に必要なのは、まずはワクチン接種。それと同時に手洗いやうがいを徹底することで予防できます。新型コロナウイルスに関しては、密を避けたり外出を控えたりして、感染のリスクを下げることも重要」と語るのは、慢性呼吸疾患認定看護師の青山理看護師です。もし肺炎になっても、できるだけ苦しくならないよう、肺の機能を強くできないかと考える方もいます。しかし青山看護師は「肺機能の強化はできません。だから、肺機能の維持が大切なんです」と話します。肺機能の維持には適度な有酸素運動が効果的で、特に散歩がお勧めとのことです。

市内の肺炎事情

「実は、肺炎が原因で亡くなる方の割合が県下でトップレベル。がんの次に肺炎が多いのが西尾市の特徴」と市内の肺炎事情を語る青山看護師。地域の特性として、喫煙者が多いのが原因ではないかと分析しています。喫煙は肺炎のリスクが大きく上がる原因。「肺炎にかかりにくくなるためにも、がんばって禁煙してほしい」と喫煙者へ呼び掛けます。

早めの受診を

100m歩いただけで呼吸が苦しい人は、肺や心臓に何か異常がある可能性が高いそうです。「『呼吸が苦しい』という症状は死を意識してしまうくらい不安なもの。自覚症状があるようなら、早めにかかりつけ医に相談してほしい」と早期の受診を勧める青山看護師。呼吸の専門家として肺炎患者に寄り添いながら、地域の医療を支えています。

市民病院のいま(広報にしお 2021年10月号)