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病院通信2019年06月号 腰椎分離症について

2019.06.16

 腰椎分離症は、スポーツ活動に伴う腰部への過剰な負荷が原因の疲労骨折です。成長期(小中学生)のスポーツ選手が腰痛を訴える場合、分離症を疑う必要があります。発生頻度は一般で5%程度、スポーツ選手で約20%と言われ、“成長期で腰痛が2週間以上続いた場合、その半数が腰椎分離症”という報告もあります。

 分離症は腰部を反らして捻る動作を繰り返すことで発生し、身近なスポーツでは、サッカー、野球、バスケットボール、バレーボールなどが挙げられます。“長引く腰痛”、“腰を反らしたり捻る動作で痛みがある”等の症状があれば病院を受診しCT、MRIで確定診断をしてもらいましょう。治療は、コルセット装着により腰の反りと捻りの動作を防ぎ、骨癒合を目指します。初期例では装具装着2~3か月で治癒可能ですが、進行例では3~6か月もしくはそれ以上の期間を要するケースもあります。腰椎分離症の発生には、体幹、股関節、下肢の柔軟性低下が関与していると言われています。再発予防のためには、特に、股関節周囲、ハムストリングス(太腿裏)のストレッチングが重要です。

   整形外科部長 高松 晃