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病院通信2022年12月号 市民病院の未来を照らす「研修医という存在」

2022.12.01

医師免許を取ってからの2年間。医師として独り立ちする前の彼らは「研修医」と呼ばれます。市民病院にとって、彼らはどんな存在なのでしょうか。

医師を支える医師

 研修医は、主に医師免許を取得したばかりの医師。2年間の「初期臨床研修」を市民病院などで行い、医師として必要な技術や心構えなどを学びます。研修医は基本的に指導医と共に患者を診療しますが、ある程度の経験を積むと一人で診療に臨むことも。患者の症状を聞き、必要と思われる検査や処置を看護師などに指示した上で、指導医に連絡し、最終確認するようになります。彼らが力を付け、できることが増えていくことで、指導医の負担は軽減され、難しい診療や処置に集中できます。結果的に医療の質が向上し、患者の利益につながります。

院内の活性化

 「研修医という存在が病院にもたらす効果はとても大きい。病院にとって希望の光」と語るのは田中俊郎副院長です。研修医の指導に携わるのは医師だけでなく、看護師や技師などさまざま。「病院全体で研修医を育てよう」と院内学習会などの活動が活発になり、職種の壁を越えたコミュニケーションにもつながっています。そのような活動を通して培われたチーム力が、救急医療の現場などでも生かされ、いざというときに抜群の連携を発揮するのです。

研修を終えた後も

 研修医は2年間の初期臨床研修中に、外科や整形外科、循環器内科など、自身が専門とする診療科を選択。3年目からは専攻医として、より専門的な知識や技術の習得をするための専門研修を行います。診療科によって専門研修先は異なるため、市民病院で専門研修ができる場合には、初期臨床研修が終わった後も市民病院に残り、研修医の先輩医師として活躍し続けます。研修を終えた医師が病院に残り、定着していくことは、市民病院が抱える医師不足の解消につながります。研修医という存在はまさに病院にとっての「希望の光」。彼らが輝き続ける限り、市民病院の未来は明るいといえるでしょう。

市民病院のいま(広報にしお 2022年12月号)