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病院通信2023年01月号 話す・食べるの専門家「言語聴覚士」

2023.01.12

話すことと食べることは、生活していく上でとても大切なことです。しかし、病気になったり、障害を抱えたりして、コミ ュニケーションをとることや、食事することが難しい方もいます。そんな方たちを支え、助けるのが言語聴覚士です。

院内で頼りにされる存在

 言語聴覚士は、話すことや食べ物を飲み込むことが難しい方に、発声の仕方や食べものの飲み込み方などを指導・訓練する専門職です。現在、市民病院ではリハビリテーション室に5人の言語聴覚士が在籍。同規模の他の病院と比べて人数が多く、それだけ院内で頼られ、必要とされる存在です。

さまざまな患者に関わる

 言語聴覚士は、発達障害や構音障害などでコミュニケーションに問題を抱える子どもから、脳梗塞や脳出血で言語機能に障害を負った大人まで、さまざまな患者と関わります。「失語症の問題を抱える患者さんは、言いたい言葉が出てこなくなっている。頭の中が図書 館だとしたら、本棚が崩れてしまって、本が引き出せないイメージ。 訓練を通じて、言葉が少しでも出やすくなることを目指している」と話してくれたのは、中垣麻希言語聴覚士です。入院生活など、いつも通りではない変化が起きると戸惑う患者が多いため「患者さんの感情が高ぶっていたとしても、私自身は気分や接し方にむらをつくらず、毎回同じように接することを意識している」そうです。外来だけでなく、口やのどの機能が低下した高齢の入院患者の食 事にも付き添い、食べ物の飲み込みなどを支援しています。「機能を完全に取り戻すことは難しいけど、できるだけ維持できるようにした い」と笑顔を見せます。

患者に寄り添って

 「患者さんがにこっと笑ってくれたり、手をつないでくれたり、口を開けてくれたりする、日々の小さな変化がうれしい」と語る中 垣言語聴覚士。患者にできる限り効果的なリハビリを行ってもらうために、技術と知識をさらに身に付けようと向上心を持ち続けています。「言語聴覚士の仕事は目立たないけど、なくてはならない大切な仕事。患者さんから頼ってもらえる存在であり続けたい」と、今日も患者に寄り添い続けます。

市民病院のいま(広報にしお 2023年01月号)