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病院通信2023年03月号 これからも、この地域と共に「市民病院のミライ」
2023.02.28
病院機能の充実、災害対応、働き方改革、施設の老朽化対策など市民病院の未来には、幾多の困難が待ち構えていることでしょう。それでも、どんなときも「一歩ずつ前へ」。これから先も、市民病院の歩みが止まることはありません。
地域に根差した医療を
西尾市民病院は24時間体制で急な病気などに対応する急性期病院として、この地域の救急医療を支えています。しかし、超高齢社会を迎えつつある現在、市民病院に求められる役割は急性期に留まりません。禰宜田政隆院長は、今後の市民病院のあり方を「地域のニーズに合わせて、リハビリなどを行う回復期や介護などを行う慢性期にも応えていかなくてはいけない。この地域で、医療から介護まで完結させる『地域包括ケア』の体制を整えることがより重要性を増す」と語ります。
「いつか」に備えて
この地域で市民病院が果たす大きな役割の一つに「災害対応」があります。市民病院では、いつか必ず起こる大災害に備え、医療体制や設備の強化などを進めています。「今回のコロナ禍は、危惧されている大災害に向けた教訓になった。
緊急時にこの地域の医療体制を維持していくことの大変さが身に染みた」と禰宜田院長。一般的に人口10万人あたりの医師数は約260人といわれており、人口17万人の西尾市では約440人の医師がいるという計算になります。開業
医などを合わせても医師が約170人と、全国平均の4割しかいないこの地域で、市民病院が果たす役割は非常に大き、重いものです。それでも「市長のトップセールスなど、粘り強い努力のおかげで医師の派遣元である大学教授も西尾市民病院を気にかけてくれるようになった」と医師確保に向け、明るい兆しが見え始めています。
病院の働き方改革
働き方改革の波は、医療業界にも押し寄せています。しかしながら、医療スタッフの人数には限りがあり、高齢化などで対応しなければならない患者が増え続ける現状での改革は、極めて困難な課題です。禰宜田院長は「ここ数年は
研修医も安定的に確保できていて、院に活気が出てきている。それに加えてICTを導入して、無駄な作業を減らしたり、効率化を図ったりしている」と働き方改革に向けた意欲を語ります。
20年後がキーポイント
2040年には、いわゆる「団塊ジュニア世代」と呼ばれる年代が高齢者になり、日本の高齢化がさらに深刻になるといわれています。また、その頃には、市民病院は築50年を迎え、新築や移転の必要が生じるかもしれません。「20
40年は、西尾に限らず多くの市民病院にとっての転換期になるのでは」と禰宜田院長。20年後の未来を見据えて、今できる最善の病院運営を検討しながら、日々の診療にあたっています。