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病院通信2018年04月号 麻疹 (はしか) について

2018.04.27


 麻疹(はしか)は大人も危険と聞きました。どういうことでしょうか。


 麻しんは、感染力が非常に強く、簡単に人から人に感染し、麻しんの免疫がない人が感染すると90%以上が発症し、肺炎や脳炎などの深刻な合併症を起こすことがあります。かつては、国内で多数の患者が発生していましたが、定期予防接種となり、近年は患者が激減しています。現在は2回ですが、当初は1回の予防接種だったため、2007年、麻しんの流行を機会に追加の予防接種が行われ、2015年には世界保健機関(WHO)から麻しん排除認定を受けました。しかし、20代後半から30代の方は追加の予防接種がされていない可能性があり注意が必要です。
現在でも海外には麻しんが流行している国や地域があり、海外でかかって帰国した人を発端とした流行はしばしば発生しています。

 海外へ行く方は、麻しんの予防接種歴を母子手帳などで確認してください。また、麻しんに限らず、自分自身を感染症から守り周囲の人への感染を防ぐためにも各種予防接種の検討(厚生労働省ホームページ参照)や海外から帰国後は健康状態に注意してください。

 沖縄県では3月20日に海外からの旅行者から麻疹(はしか)と診断されたのを発端に、4月25日までに計71人と報告があります。沖縄への旅行で感染したとみられる愛知県の男性の報告以後愛知県でも計10人の感染の報告があります(4月27日現在)。


~西尾市民病院からのおねがい~

 麻疹の初期症状は風邪に似た症状です。

 潜伏期間は10~12日でその後発熱や咳などの症状で発症します。38℃前後の発熱が2~4日間続き、倦怠感(小児では不機嫌)があり、上気道炎症状(咳、鼻みず、くしゃみなど)と結膜炎症状(結膜充血、目やに、光をまぶしく感じるなど)が現れて次第に強くなります。全身の発疹が現れる1~2日前には口の中の頬に小さな斑点(コプリック斑)が現れます。一旦1℃程度解熱した後再び高熱が出て、全身に特徴的な発疹が広がります。この様な症状のほかに、「修飾麻疹」と言って麻疹の予防接種を1回のみ接種した、過去に麻疹にかかった事があるなど麻疹に対する免疫を持っていても不十分な人が麻疹ウイルスに感染すると、非典型的な麻疹症状を発症することもあります。

麻疹流行地(海外・沖縄)に行った、報道されている医療機関に受診した、周りに麻疹を発症した人がいる方で、麻疹の初期症状のある方はかかりつけ医(最寄りの開業医さん)受診前に医療機関に電話で問い合わせをお願いします。また、麻疹の抗体価検査やワクチン希望の方はかかりつけ医(最寄りの開業医さん)にお問い合わせをお願いします。

  感染管理認定看護師 青木 美由紀